天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「俺、季帆とそんな夫婦になりたいと思ったんだ。お前を女として愛していることに勘づいてはいたけど、一生兄妹のような距離で生きていくのかなとも思ってた。だけど、それじゃあ嫌だと。お前になにかあったとき、丸ごと受け止められる存在でいたいと」

「陽貴さん……」


 だからあの医療ミスで私が我を忘れてしまったとき、救いの手を差し出してくれたのだろうか。

 彼が優しく微笑むので、私も口角を上げる。


「ありがとう。私も陽貴さんを丸ごと受け止めたい」


 私は彼みたいに器が大きくもないし、包容力もない。
 けれども、ピンチのときに彼に頼ってもらえる存在になれたらいいな。


「もう十分。季帆が隣にいるだけで幸せなんだから」
「あれっ、そんなうれしいことを言って、エビが欲しいの?」


 私は自分の皿からエビを取り、彼の皿に移した。


「あはは。サンキュ。それじゃ、ホタテをどうぞ」


< 212 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop