天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「大変? むしろ見せて歩きたいくらいだぞ」

「なに言ってるのよ」

「季帆が俺の女だって自慢したいんだよ」


 もしかして、結婚を秘密にしてあるのが苦痛なの?


「ごめん。あのっ……」

「だけど、内緒の関係ってのも燃えるよな。病院で季帆に触れるたびにドキドキしてるよ、俺」


 陽貴さんも? って、わざと触れてきたり、『季帆』と名前で呼んでみたりして、私をハラハラさせてない?


「どうしても我慢できなくなったら、明かしてもいい?」


 それがどんなシチュエーションのときなのかさっぱり想像がつかないが、私はうなずいた。


「さぁて、食うぞ。で、季帆も食う」
「は?」
「当然だろ。季帆を先にしたほうがいい?」
「チ、チキンで!」


 しどろもどろになりながら答えると、「なんだ」と落胆した彼は自分の皿を引き寄せて隣で続きを食べ始めた。



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