天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 長崎先生と陽貴さんのコンビは、脳外以外の病棟でも話題になっているようだ。

 主に〝お似合いのふたり〟という噂ばかりで心がざわつく。

 とはいえ、彼女は門脇先生のような研修医ではないので、いつもべったり一緒にいるわけでもない。

 陽貴さんは噂を気にしているのか、時間があると私のそばに来てコミュニケーションを取ろうとしているのがわかった。


「香月、頼む。手伝って」
「またためてたんですか?」


 カルテの入力がまったく進んでいない陽貴さんは、隣のイスに座り私に手を合わせる。

 パソコンの扱いが苦手なわけでもないのに、忙しい彼は後回しにしがちで蓄積していくのだ。

 最近は特に、他院から彼を指名してのセカンドオピニオン依頼が多いとも聞く。
 そのせいで、外来の時間も長引くときが多い。


「倉田先生、カルテ整理ですか?」


 話しかけてきたのは長崎先生だ。
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