天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「そういう考えはやめたほうがいいかと。ここのスタッフに誰ひとりとして抜けていい人はいないから。実際、香月は俺よりずっとカルテをまとめるのがうまいし、患者の家族のケアまでしてくれる。治療するのは俺たちだけど、彼女たちの支えがあってこそうまくいく」


 きっぱり断言する陽貴さんの心遣いがうれしかった。


「そう、ですね」


 渋々ながらも同意する長崎先生は、一瞬私を冷たい視線で刺した。

 陽貴さんにかばわれているのが気に食わないのかもしれない。


「そういえば京浜大学の近藤先生の件に関わられたというのは本当ですか?」


 長崎先生の口から近藤先生の名前が出て、緊張が走った。

 陽貴さんが関わっているってどういうこと?

 心臓が暴走を始めたのがわかったけれど、必死に平静を装う。


「なんの話?」
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