天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい


「はい。師長に叱られて」

「そうでしたか。倉田先生のカルテ、簡潔なのに重要なポイントは抑えてあってすごくわかりやすいですよ。時々必要な情報が抜けている先生もいらっしゃるので」


 彼女は陽貴さんの隣にさりげなく座る。

 長崎先生に少なからずとも嫉妬の念を抱いている私は、三人並んでいるのが妙な気分だった。


「俺のカルテは、香月の努力の賜物なんですよ。かなり手伝ってもらってますから」
「香月さんの?」


 長崎先生は目を大きくした。

 あまり彼女に私の存在をアピールしないで。
 元看護師だと気づかれてしまいそうだ。


「でもまあ、代行してるだけですよね。結局は私たち医師がいないとね」


 正論だが、嫌みのようにも聞こえる。


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