天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「でも、関先生が『若いうちはひとつでも多くの症例に関わっていろんなケースを経験しろ。知識はあっても机上の空論になっては意味がない』って奥村先生に発破かけてたよ。その通りだなと思ったの。私も反省しちゃった」


 関先生の発言には納得した。
 教科書で勉強しただけではわからないことが山ほどあるし、その通りにならないケースも多い。

 臨機応変に対応できるようになるには経験を積むしかない。


「天野さんは頑張ってるでしょ?」


 いまだ叱られるところはよく見かけるものの、私が提案した声出し確認をしているようで師長に褒められていた。


「香月さんは優しいな。長崎先生、医学書はよく読んでるんだけど、担当以外の症例にはあんまり興味なさそうだよね。なんか私たちも下に見てるし」


 それは感じる。近藤先生と同じ匂いがするのだ。

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