天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 お父さまが教授まで上り詰めた人なのでそうなってしまうのかもしれないが、ナースの重要性は一緒に働いていればわかるはずなのに。

 実際陽貴さんは、いつも感謝しているとこぼす。


「うーん。ま、気にしないようにしよう。私たちは患者さんのために自分にできることをするだけ」
「そうだね」


 笑顔を取り戻した彼女は、「体位変換に行ってきます」と病室に向かった。



 その日、救急で処置をしていた陽貴さんは、二十時過ぎに帰ってきた。


「おかえりなさい」
「いい匂い。腹ペコペコだ」


 玄関に入るなり、スーッと大きく息を吸い込んだ彼は微笑む。


「今日はちょっと奮発して、和風ステーキにしてみたの」


 天野さんと話していて、走り回っている彼に栄養をと改めて思ったからだ。


「肉、食いたかったんだよ」
「いつも肉でしょ? 付け合わせのお野菜も食べてね」


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