天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 今日のメニューは手羽先を砂糖と醤油、そしてお酢で煮込んださっぱり煮だ。
 揚げようかと迷ったけれど、こんなに遅くなるんだったら、さっぱり煮で正解だったかも。


「だけど、もっと好きなもの知ってる?」
「もっと? うーん、なんだろ……」


 好きなものがあるなら教えておいてくれればいいのに、と思った瞬間、頬に唇を押しつけられて固まった。


「季帆に決まってるだろ。迷うなよ、そこ」


 ダメだ。陽貴さんとこんな甘い会話を交わしているのが信じられなくて、卒倒しそうだ。
 幼い頃から一緒にいたのに、こんな人だとは知らなかった。

 いや、兄妹のような存在だったのだから、それも当然かもしれないけれど。


「もうできるから座ってて」


 隣にいられると胸が高鳴り通しで息が苦しい……なんて、贅沢な悩みかな。


「わかった。そうする」


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