天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 少ししょげた様子の彼は、おとなしくソファに向かった。


 十分ほどで準備が終わりテーブルに運びだすと、陽貴さんがうとうとしているのに気づいた。


「疲れてるんじゃない」


 私を抱くと宣言したくせして、本当はヘトヘトなのだ。

 心に傷を負った私に気を使っているのかな? 
 だとしたら無理させたくない。

 あの医療ミスのあと徐々に立ち直ってきたのは、陽貴さんと結婚できたおかげだ。


「無理させてごめんね」
「ん? あっ、寝てた」


 パチッと目を覚ました彼は、バツの悪そうな顔をする。


「うん。このまま寝る? それとも食べる?」
「もちろん食べるよ。腹ペコペコ」


 お腹を押さえる陽貴さんと一緒に、テーブルについて食べ始めた。


「この手羽先、うまいな。季帆が料理上手とは知らなかったよ」

< 28 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop