天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「師長も、季帆の冤罪を晴らしてやれなかったと嘆いていらっしゃった。季帆は優秀なナースだから、いつかまた復帰してほしいとも。だけど、季帆の心の傷を考えたらすぐに復帰は難しいかもしれないと思って、クラークの仕事に誘ったんだ」


 そうだったのか。

 薄々彼が私の看護師の仕事への未練を感じ取っているのだろうなとは思っていたが、そんなやり取りをしていたとは驚きのひと言だった。


「ありがとう。私、陽貴さんがそこまでしてくれてたとは知らなくて……」

「いや、俺は自分がしたいことをしただけだ。近藤先生の件も、もっと早くに介入できればよかったんだけど、自分とは関係ない大学に簡単に物申せるものでもなくて」


 そんなの当然だ。
 仮に誤診に気づいたとしても、自分より上の立場の先生に抗議する人なんてまずいない。

 しかも陽貴さんは別の大学の医学部を卒業しているのだし。


< 270 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop