天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「本当にありがとう。私、クラークとして陽貴さんの手伝いができて幸せ」


 大したことはできないけれど、尊敬できるドクターのもとで働けるのは幸福だ。


「看護師に戻る気はない?」


 彼に問われて息を呑む。

 私、本当は……。

 答えられないでいると、陽貴さんは再びステーキを食べ始めた。
「柔らか」と笑顔を見せる彼は、ゴクンと飲み込んでから口を開く。


「その気になったらすぐに教えて。まあ、でも無理に戻る必要もない。カルテを手伝ってもらえなくなるのも困るしなぁ」
「ご立派な量だし?」
「まいったか」
「だから、ドヤ顔しない!」


 復帰を決して無理強いしないのに、私の可能性を信じてくれているのだと感じて笑みがこぼれた。



 片山さんのリハビリは順調に進んでいるようで、挫折もある。
 彼は自分の体なのに自由に動かせないことにいら立っていた。


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