天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「リハビリはきついし、できないことばかりでイラつくし。だけど、車イスに座れただけで喜ぶ母さんとか、俺を理解しようとするいけ好かないヤロウの嫁とかいて、やっぱり生きててよかったのかなと思うわけだよ」


 片山さんのひと言ひと言はどこかとがってはいるけれど、おそらく照れ隠しだ。
 胸に温かいものが広がっていく。


「当然でしょ」
「その余裕の返事、やっぱりムカつく」


 片山さんは悪態をついているが目は笑っていた。


「片山さん。季帆は俺の女だし、安田さんの代わりでもない」


 陽貴さんが真顔で安田さんの名前を出すので少し驚いた。


「季帆が隣にいてくれたらなんだって乗り越えられそうな気がする。そう感じるのは俺も同じ。でも、あなたにとって季帆は一番じゃない。そんな男に負ける気がしない」


 はー、と大きなため息をついた片山さんは目を閉じた。


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