天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 田辺部長だけは別格で、部長がナースステーションに入ってくると空気がピリッとするが、わけもわからず怒鳴りつけるようなことはないし、師長にやり込められているときもある。

 しかし、他科では怖いと有名な先生もいなくはない。

 天野さんはそうしたことも知っているので、尻込みしているのかもしれない。


 ふたりで話していると、陽貴さんと長崎先生が連れ立って戻ってきた。

 なんの話をしていたのか、いつもより穏やかな雰囲気だ。


「内側型蝶形骨縁髄膜腫のオペされるんですよね? 私に第一助手をやらせていただけませんか?」


 木藤先生の話だ。


「うーん、第一助手は少し考えさせて。関先生にお願いするかも」


 自分より経験豊富な先生についてもらうのは、難しい症例のため万全を期したいからに違いない。


「そう、ですか。クランケは外科医だとお聞きしましたけど」
「うん、俺の親友」


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