天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 一旦病棟に戻りふたりの先生にお世話になったお礼を述べると、関先生が奥村先生をチラッと見て口を開く。


「奥村は焦りが見えたけど、香月さんは問題なかったよ。奥村のほうが助けられてた感があったなぁ」

「はい。一度も間違いはありませんでしたし、出された位置も握りやすくて助かりました」


 執刀医の奥村先生にねぎらわれて、期待されていた程度の仕事はこなせたのだと安堵する。


「奥村。慎重さは大事だが、もっとスピードを意識しろ。脳血管を遮断できる時間は短いんだぞ――」


 その後、奥村先生への指導が始まったので、私はふたりの元を離れた。

 かなり集中したので疲労感が漂うものの気持ちは充実していた。
 やはり私はナースの仕事が好きだと確認できたからなのかもしれない。


 帰宅するために職員用のエレベーターに乗り込むと、長崎先生もやってきたため緊張が走る。


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