天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「一度失敗しているおかげかしら。あなた、随分甘やかされるのね」


 さっき関先生が話していたとき、彼女はパソコンで作業をしていたがしっかり耳に届いていたようだ。


「開頭するドクターのほうが緊張して当然じゃない。どうせ責任は私たちに押しつけるんだから、楽な仕事よね」


 蔑まれて固く拳を握る。

 近藤先生のときはただ泣いて逃げるだけだったが、陽貴さんを始め私を支えてくれる人たちがたくさんいる。

 それがわかった今、黙っているわけにはいかない。


「そうでしょうか。ナースがいなくなったら困りませんか?」


 医学的な知識はもちろん私たちよりあるので、理論的には手を借りずともこなせる仕事だろう。

 しかし、普段ナースが請け負っている作業を全部ひとりでできるかと問われたら、絶対にノーだ。
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