天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 木藤先生は前日から入院しており、術前の処置がなされている。

 私と一緒にオペ室に入る外回りの看護師ともすでに面会済みだ。


 木藤先生の病状については脳外の先生たちの間でもじっくりカンファレンスが行われていて、万全の態勢だ。

 あとは手術でどれくらい腫瘍を取りきれるかにかかっている。


 私は今日一日は完全にクラーク業務を外してもらい、十三時から始まるオペを前に準備に入っていた。

 手術室の温度管理は、術中の体温低下を防ぐためにも重要だ。

 他にも、あらかじめ輸液を保温庫に準備したり、輸血用の加温機器の充電を行ったりなどしていた。


 そして今日持ち込むすべての機器や材料のカウントを外回りのナースと一緒に始めた。

 体内への遺残を防ぐために針一本、間違ってはならない。

 緊張感が高まってきてはいたが、自分でも冷静にできていると感じていた。


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