天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 そして、長崎先生も目を見開き固まっていた。


「もちろん特別扱いはしませんし、気遣いも無用です」


 陽貴さんは涼しい顔だが、私は恥ずかしくてうつむき加減になる。


「どうりで。よくこそこそ話してると思ったのよね」

「あっ。それは、カルテ代行をこっそり頼んでいたからで……」


 師長のつっこみに陽貴さんがあわてている。


「できる限り自分でやりましょうね、倉田先生」
「かしこまりました」


 この病棟で一番怖い師長に叱られた陽貴さんは、しゅんとしている。

 そこに関先生がやってきた。


「どうした? なにかあった?」


 皆が集まってざわついているのが気になったらしい。

 国枝さんが耳打ちすると、陽貴さんと私を交互に見てまばたきを繰り返す。


「倉田!」
「は、はい」


 唐突に関先生に大きな声を出され、陽貴さんは直立不動。


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