天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 患者さんが待っているのだから。


「倉田先生が担当の木藤明弘さん。本日ICUより移ってこられるから、香月さん担当して。ご本人の希望なの。天野さんも一緒によろしく」
「はい」


 最初の担当患者が木藤先生とは。
 しっかりやらなければ。


「他の振り分けは――」
「すみません。少しいいですか?」


 師長が続けて話しだしたが、陽貴さんが止めた。


「なんでしょう」
「ひとつお話ししておきたいことがありまして」


 陽貴さんが口を開くと、緊張で冷や汗が噴きだしてきた。


「ずっと黙っておくのもなんですので……。実は香月は私の妻です」


 彼は私の隣まで来てごく自然に腰を抱く。


「はっ!? ……あっ、すみません」


 大きな声で反応したのは、天野さんだ。
 それをきっかけにナースステーション内が一気にざわつき始めた。

 師長もあんぐりと口を開けている。
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