天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「なんでって、サプライズ的な?」


 彼は素知らぬ顔をしているが、私は驚きとともに喜びで満たされていた。


「木曜の夜の便で発つから残業するなよ」

「私は大丈夫。陽貴さんのほうでしょ? でも、患者さん優先してね」


 オペや検査の予定はあらかじめ外しておけるし、救急からの要請などは別の先生にお願いすればいい。

 しかし担当患者さんの急変だけはコントロールできない。

 それも別のドクターに頼めなくもないが、責任感の強い彼のことだから旅行中もずっと気になるだろう。


「さすがは季帆。俺をよくわかってる」


 彼は私の腰を抱き、甘い口づけを落とす。


「万が一そうなっても、必ずやり直すから。期待して待ってて」
「うん」


 私は彼の腕の中に飛び込んだ。

 私よりずっと忙しくて疲れているはずの陽貴さんが、旅行まで手配してくれたとは。

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