天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 これほど気がつく優しい彼の妻になれて最高だ。


「季帆。予行練習しようか」
「練習?」


 なんの話?


「そう。沖縄にいる間は、病院からも電話は入らない。邪魔されずに思う存分できるだろ?」
「なにを?」


 マリンスポーツかなにか?


「なにをって、セックスに決まってるだろ」
「は?」
「季帆はいつまで俺をお兄ちゃんだと思ってるんだよ。俺は品行方正な兄じゃなくて、好きな女を抱きまくりたいただの男なんだぞ」


 そんなしたり顔で念を押されても困る。


「男の頭の中なんて、そんなことばっかりなんだ。気をつけろ。特に専攻医」


 専攻医?

 今、脳外科には専攻医――前期研修を終えたあと、脳外科の専門知識を身に着けるためさらに研修を積んでいる先生――がひとりいるけど、彼の話?

 ポカーンとしていると、彼はムスッと不機嫌顔だ。


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