天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「そのとき、アイツも手を伸ばしてお前の手に触れたじゃないか」
「そうだっけ?」


 それはまったく記憶にない。
 きっと陽貴さんに触れられたら、ドキドキして息が止まりそうになるのに。


「そうだっけじゃない! アイツ、あのあと『香月さんの手、すべすべだった』とかほざいてるからしごいてやった」


 いやいやいや、それはまずくない? 
 指導医は関先生だし。


「しごくって!」


 そういえば、凶器になりそうなほど厚い医学書を奥村先生に渡して、『明日までに勉強してこい』と指示を出していたような。


「俺をヤキモキさせる季帆が悪い」
「わ、私?」
「そうだ。帰ったらメチャクチャにしてやると思ってたのに、宿直だし」


 それは私のせいじゃないでしょ?

 でも、たったそれだけでこれほど妬くなんて、なんだかちょっとかわいいかも。


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