天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 ちょうど受け入れ先の病院が決定したので私はそこで救急車から降り、男性の彼女が代わりに乗り込んだ。

 救急車を見送ると取り囲んでいる人が増えている。


「どうなりました?」

「呼吸、戻りました。ドクターが付き添っていますので大丈夫ですよ」


 尋ねられて答えると、拍手が沸き起こり少し驚く。


「お疲れさま」
「ありがとう」


 思いがけずたくさんの人からの賛辞をもらい、目頭が熱くなる。

 久しぶりの気管挿管の介助だったが、オペ室で毎日のようにやっていたからか体が勝手に動いてくれた。

 それにしても、陽貴さんの挿管は素早くあっという間だった。
 彼の技術の高さを思い知る出来事だった。



 ホテルの部屋に戻った私は、陽貴さんの着替えを持ちタクシーで病院に向かった。

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