恋友~幼馴染みの君はいつも私に付いてくる~
私が妊娠してさらに心配事が増えたり、
引っ越し準備や仕事も多忙で疲労困憊だった
賢心は医局でグッタリとしていた。
そこへやって来た涼くんが異変に気付く。

「ちょっと畑中の事で相談したい事が……
ん?賢心、体調悪いのか?」

「ぇ…いゃ、大丈夫……雪乃がどぅかしたか…?」

「……あぁ、ちょっと検査の結果が……
って、おい!やっぱりおかしいぞ」

医者が医者を騙そうなんてそう甘くはない。
熱がある賢心をすぐに休ませ点滴を打つ。

「色々やりすぎなんだよ。畑中の事が心配なのは分かるけど、お前が倒れて困るのは畑中だろ」

「……あっ!」

「どうした!?」

「…朝、雪乃とキスしたけど……熱、移ったら…」

「おぃ…どんな心配してんだ!いいから寝てろ」

「悪いな……で、雪乃の検査って…」

「あぁ、少し心不全の症状が出てたから……
まぁとりあえず、復活してから考えよう」

そう言って医局を出て行こうとする涼くんを
手を伸ばし引き止めようとするが…

「待ってくれぇ……雪乃の心不全が気になるぅ…」

「分かった分かった、後でな」

結局医局に取り残された賢心は、
気付くとぐっすり眠りについていた。

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