恋友~幼馴染みの君はいつも私に付いてくる~
「…ん……ぅぅ…ぁ、えっ!?」

自分の手が、柔らかく温かい感触に包まれて
気持ちよく目を覚ますと、雪乃の姿が見え
一瞬夢なのかと賢心は驚いた。

「…大丈夫?」

「雪乃!どうして……あっ、涼だな!」

「ごめんね、無理させて……」

「雪乃のせいじゃないから、心配するな」

「ううん……私がこんなんじゃなきゃ賢心は
余計な心配する必要なかったんだし…ごめん…」

「まぁ俺だって人間だから熱くらい出すけど、
雪乃の病気の辛さに比べたら大した事ないよ」

「やだよ……賢心に何かあったら、私………」

「おいおい、このくらいで俺を殺すな!」


珍しく弱った賢心を見て不安になった私は
思わず泣いてしまう。
自分が死に直面して覚えた恐怖以上に怖かった。
するとそこへ…


「起きたかぁ?……あれ!畑中どうした!?」

俯き泣いている私を見た涼くんは、
咄嗟に疑いの目で賢心を見る。

「いやっ!俺が泣かせたんじゃないからな!」

「賢心の…せぃだからね…」

涼くんはいつものように私達を
呆れた目で眺めていた。

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