【完】セカンドマリッジライフ

「利久先生、雪乃さんお久しぶりです。その節はお世話になりました。 挨拶に来るのが遅くなってごめんなさい。
これ、お菓子なんですけれどお二人でお召し上がりになって下さい」

「そんな……。気を使わなくてもいいのに…」

ゆなちゃんのお母さんから渡されたのは、地元では有名なお菓子屋さんであるダンデライオンの包みだった。

この辺じゃあ一番美味しいお菓子屋だとスイーツが大好きな私を利久さんが連れて行ってくれた事がある。

それを見た瞬間「うわあ!」と思わず声を上げてしまう。 すると利久さんにキッと睨みつけられてしまう。

「雪乃ちゃんも好き? ダンデライオンのマカロンゆなも大好物なの」

「私も大好きなんだよ!うれしーい!ゆなちゃんもお母さんもありがとう~!」

キャッキャッとゆなちゃんとはしゃいでいると、利久さんは呆れたように小さくため息を漏らす。

ゆなちゃんのお母さんは小さなゆなちゃんの手をぎゅっと握りしめると、深々と私達へと頭を下げた。

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