【完】セカンドマリッジライフ

「あー…アハハ、自分でも変なの。  嫌だなあって思っちゃって。
利久さんに指輪を買って貰ったのは嘘なしで本当に嬉しかったのに、それと同時に利久さんから指輪を貰ったのは私だけじゃないんだなーって考えたら少しモヤっとしてしまって。
そんな事考えるの、馬鹿みたいででしょう…? 昔の事気にするなんて…」

言っていて気持ちが高ぶってしまって顔が真っ赤になっていく。 自分の本音を言葉にしたら、上手に笑えなくなってしまって目頭が熱くなっていく。

それを見られないように反対側のガラスに顔を向けると、利久さんは片手で頭をゆっくりと撫でる。 その暖かさを感じると、ほろりと頬を涙が伝った。


「そんなの全然馬鹿みたいじゃない。 雪乃にやきもちを妬いてもらえるなんて、俺は嬉しい…。
けれど過去の事は気にするな。 それでも気になるなら直ぐにそうやって言葉にしてもらえると助かる。
俺は君の素直な所が一番好きだ。」

「………うん。」

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