【完】セカンドマリッジライフ
いつからこうやって悲しい時さえも笑うのを身に着けてしまったのか。 遠い昔から私はこういう子供だった気がする。 私が我慢をしていれば、私が笑っていれば、それが周りの幸せならば。 そうやって自分を騙してきた事は一度や二度ではなかった。
「雪乃のそういう所、嫌いだな」
「え?」
だから真っ直ぐな彼に心が全て見透かされた気がして、焦った。
「俺雪乃が笑っている姿は好きだけど、全然楽しくないのに何かを我慢して笑っている顔は好きじゃない」
誰も気が付かなかった事を何故あなたはいつも気が付いてくれていたというのだろうか。
事実私はいつからか諦めていた。 笑顔がチャームポイントだって言われて、疲れているのに無理して笑ってしまい良い子でいなくちゃいけないって
そうじゃなきゃ自分に価値はないと自分で言い聞かして、だけどそんな私の事を利久さんは見抜いてくれた。