【完】セカンドマリッジライフ

近頃彼女を真剣に見て思うようになってきた事。

それは疲れるし、辛い事だ。 俺は彼女にいつだって笑っている事を強要したくなかった。 楽しい時はあの花のような笑顔を見せて欲しい。けれど悲しい時はその涙を素直に見せて、それを受け止められる彼女の傘になりたかった。

雪乃が言いたくない事を勝手に詮索するなど趣味が悪い。 そうは思っていても、気になりだしたら止められなかった。

雪乃とモデルというキーワードは、俺の悲しい過去に直結する。 そんなの思い過ごしであれば良い。そう思いながら珍しく携帯をインターネットサイトに接続させる。


雪乃 モデル。 とワードを検索エンジンにかけると真実は直ぐに冷たい画面に表示された。
画像一覧には今より若く髪も腰までのロングの女性。
綺麗にメイクをし様々な服に身をまとった、今とは少し雰囲気が違うが…これは間違いなく雪乃だ。


モデルや芸能人のように美しい女性だとは初めから思っていた。 画面越しの彼女は長い髪をなびかせて、笑っている写真ばかりだ。

ごくりと唾を呑み込み、キッチンに立つ彼女を見つめる。 目が合うと屈託のない笑みをこちらに向ける。 それはいつもと変わらない笑顔だったけれど、疑問は降り積もって行くばかりだ。

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