【完】セカンドマリッジライフ
空港は冷房が効いてひんやりとした空気をまとっていたが、外に出ると一変じんわりと汗が張り付くようなジメジメとした嫌な気候。
そう考えれば北海道は夏でもからりと涼しく、恵まれている気候なのだと思う。
「東京久しぶり…。やっぱり暑いね…。すっごい嫌な暑さ…」
「まあ北海道とは違うよな。とりあえずタクシーに乗ってホテルに一旦向かおう」
両親に結婚した相手を連れて行くと言ったら家に泊まれと言われた。 それは丁重にお断りした。
雪乃の事だ。きっと気を使いまくるに違いない。 それに俺自身両親とあまり長い時間を共にはしたくなかった。
今日は二人でホテルに一泊し、明日は雪乃だけ雪乃の実家に泊まる。 せっかく帰って来たので彼女には実家でゆっくりして欲しいと提案したのだ。
ホテルに荷物を降ろすと雪乃はいつもは着ないワンピースに身をまとい、鏡台に向かって化粧をし始めた。
「…そんな気合いいれなくってもいいのに…」