【完】セカンドマリッジライフ
「そんな訳にはいかないわ。 利久さんの両親には初めて会うのだもの。
あー…緊張しちゃう…。この洋服変じゃないかな?」
両手を広げ、雪乃がくるりとその場で一回転する。
上品なベージュのワンピースは彼女にとてもお似合いだった。ワンピースからすらりと伸びる手足も長く、どんな服だって似合ってしまう彼女に思わず感心してしまう。
…さすがは元モデル。 そんな事口に出して言えなかったけれど、やはり彼女は美しかった。
「とても良く似合っている。 雪乃はスタイルがいいから何でも似合うな」
「もぉーッ利久さんったら上手なんだからーッ。照れちゃう…」
心からの本心だ。 けれど俺はそうやって着飾っている雪乃よりも………。
「まあ、いつもの雪乃の方が好きだけど」
俺の言葉に真っ白の歯をむき出しにして無邪気に笑う。
俺は雪乃が着飾っていない姿の方が好きだ。 スッピンで部屋着でも飾らない君の方が何倍も魅力的なんだ。