【完】セカンドマリッジライフ
雪乃の左手を取ると、お揃いの結婚指輪が重なる。 不思議そうな顔をした雪乃が俺の手をぎゅっと強く握る。
…本当は東京に戻って来るのが不安だった。 もしかして君は東京に戻って来たらやっぱり東京の方が良いと言って、そのまま北海道に戻って来なくなってしまうのではないのか。
雪乃はのえるとは違うって分かっている。別の人間だって知っていたのに、雪乃の過去を知ってしまった途端に憶病な自分が顔を出すんだ。
俺が不安そうにしていたのが伝わったか、雪乃は左手をぎゅっと握ったまま俺の胸へと抱き着いた。
「私利久さんのご両親に気にいってもらえるかしら?すごく不安…」
「いや、大丈夫だろ。雪乃は誰からも好かれるし、俺の方こそ雪乃の両親に会うのが不安だ。
挨拶の一つもしないで結婚をしてしまって今にして思えばすっごく失礼な事をしている…。」
「だーいじょうだよッ。 だって、私達は最初はそういうつもりで結婚したわけじゃなかったし。 でも今は違う! だから大丈夫なの!」
「何が大丈夫なのかはいまいち分からんが…取り合えず行くか…。」
「はい!!緊張するけど楽しみ!利久さんの生まれたお家が見れるなんて!」