【完】セカンドマリッジライフ
九月の終わり。 夏は本格的に終わりを迎える。
朝晩とぐっと冷える日が増えて、利久さんの言う通り冬まであっという間なのだろう。
琥太郎とはろくに話も出来ずに居た。 そんなある日の休日、利久さんに牧場のポニーに会いに行こうと誘われる。 久しぶりの休日で飛び上がるくらい嬉しいお誘いだったけれど、その話を断った。
利久さんが居ない所でゆっくりと琥太郎と話そう。 何時間かけてでも納得してもらうまで話そう。そう心に決めていた。
「ご、ごめんなさい。利久さん、今日私ちょっと具合いが悪くって」
「具合いが?!いつも元気な雪乃が珍しいな。季節の変わり目だから風邪でもひいたか?」
「うーん、もしかしたら風邪かも。 ちょっとおでこが熱い気がする」
具合いが悪いのは事実だった。少し熱っぽい気もする。 しかしこれは精神的な事からきている気がする。
ベッドに横になる私に利久さんはおでこに手を充てた。 そして眉をしかめる。