【完】セカンドマリッジライフ
そんな嫌味にもすっかりと慣れた今日この頃。 リビングに集まっていた犬の武蔵が一目散に私の元へとやって来る。
抱き上げたら短い尻尾を小刻みに揺らして私の胸へ飛び込んでくる。 それに続き、ゆっくりと猫のイチ、ニ、サンが揃って足首にすり寄って来る。
本当にこの家に飼われているこの子達は可愛い…!
朝起きてこの子達にご飯をあげるのはすっかり私の役目になってしまった。 ので、すっかりと懐かれてしまった訳だ。
「武蔵~、イチ、ニ、サンもご飯だよ~。いっぱいお食べ~。アハハ~そんながっつかなくても誰も取りやしないよッ。
ん~ッ!!!それにしても良い匂い…!朝から美味しいご飯が食べれるのは幸せな事だよねぇ~ッ」
キッチンに立つのは紺色のエプロンをしている利久さんだ。 顔色ひとつ変えずにむすりとした顔のままフライパンで目玉焼きを焼いている。
犬猫にご飯をあげるのが私の役目なら、三食私のご飯を作ってくれるのは利久さんだった。 料理は元々好きらしい。というのも私がやります!と初めは意気込んで妻らしく食事の準備をしようとした。が…料理なんてさっぱり出来ないのだ。