【完】セカンドマリッジライフ
包丁もろくに握れない私に利久さんは呆れ返り、結局家事全般は彼の仕事になった。そして利久さんの作ってくれる料理は驚く程美味しいのだ。 こんなに温かい家庭料理を食べるのなんて、一体何年ぶりだったのだろうか。
リビングにある食卓テーブルに向かい合ってご飯を食べるのはいつしか日課になっていた。
「んん~ッ、利久さん。今日も超美味しいです。 んふーッ。ほっぺが落ちそうッ?!」
「大袈裟なんだよ、君は…。 全く毎日毎日食べている料理にどうしてそこまで大きなリアクションが出来るんだか…」
「だって美味しいものは美味しいんですもんッ。 おかわりいただきますッ。」
「君には本当に感心するよ…。よくもまあそれだけ大食いで全く太らないか不思議だ。」
朝から健康的な和食のおかずに、玄米入りのご飯はとても美味しい。
そして利久さんが不思議がるのも当然だ。 私はモデルをやっていたとは思えぬほど大食いだ。
昔から人に羨ましがられる体質だが、こればっかりは遺伝なのだろう。母も私と同じ体型をしていながらかなりの大食いだからだ。