俺様幼馴染は素直になれない!
「瑠翔先輩と来たの?」
智子は私に聞いてきた。
「…途中まで」
私は智子の顔を見て、カバンを漁りながら返事をする。
「…ふーん、そっか。結愛は瑠翔先輩のこともっと知りたいんじゃない?」
智子はニヤニヤした顔で私に聞いてくる。
「知りたくないよ」
私は一言だけ言うと、ガラッと扉を開けて先生が入ってきた。
先生は、朝礼始めるぞーと大きい声で言ったら、みんな席につき始めた。
クラスメイト達は静かになり、先生の言葉を聞いていた。
ちゃんと聞いている人もいれば、不真面目に携帯をいじっている人もいた。
私は頬杖をついて、ぼんやりと先生の話を聞いていた。
興味があることならちゃんと聞くが、興味が持てないものには全く関心がない。
先生の話は聞かないと後々困るので、半分聞いてあとは聞いているフリをした。
理由はそれだけではない。
瑠翔の存在だ。