俺様幼馴染は素直になれない!
すぐ入学式を終えると…
俺から話すのは結愛にとって癪かもしれないけど、久々に話すために意を決して声をかけた。
「結愛」
結愛が自分の教室に戻ろうとしていたので、俺は先に歩く結愛の手を掴んだ。
「…瑠翔。久しぶり」
結愛は、俺を呼んだ。
「お、おー。じゃあ、またな」
俺はなんともないように返事をしたが、心の中は心底嬉しくて微笑んだ。
それ以来、俺は結愛家に行くようになった。
結愛は小さい頃と変わらなかったが、前よりも俺に対して冷たく思えたのだ。
なにがいけなかったんだ。
俺は結愛に何をしてあげたのだろう。
俺様キャラになって、昔の優しい俺はいなくなったからか。
分からなかった。
結愛のほんとの気持ちが。
瑠翔が10歳で幼かった頃から結愛を好きになって片想いが7年も続くなんて、未来に期待していた瑠翔は想像もしていなかった。
この時から、瑠翔は恋愛にこじらせていた。
結愛の気持ちと裏腹に瑠翔は自分が思っているのと正反対の想いを口にするようになるのだった。
瑠翔は葛藤を抱え込みながら、結愛の想いを募らせて幼馴染の関係が続いていた。
幼馴染以上になりたかった瑠翔の願望はいつ実るのか不安でしょうがなかった。
だから、付き合えて嬉しいのだ。