能力を失った聖女は用済みですか?
「あの……本当に私、お礼をして貰うようなこと、してないんです……でも、カイエン様が、せっかくそこまで考えてくれたのなら……お言葉に甘えて……」

「うん!そうしてくれ!」

突如晴れやかになるカイエンの表情に、私は胸を撫で下ろした。
あのまま、涙目の子犬を続けられると、思わず頭を撫でてしまったかもしれない。
国王様にそんなことしたら、失礼だよね。

「そうだ!今レグラザードの町に商隊が来ていて、珍しい布を沢山売っているらしいぞ?一緒に行ってみないか?」

「えっ?今から……二人でですか?」

「……いやなのか?」

「いっ!?いいえ!とんでもない、行きましょう、今すぐ!」

カイエンの目が一瞬潤んだのを見逃さず、私は急いで言った。
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