能力を失った聖女は用済みですか?
「うーん。お前、何が出来る?」

カイエンは腕を組み聞いた。

「そうですね、例えば土地に適した作物を選んだり、風土に合わせた土壌に改善したり?」

「ほう!あなた、学者の類いですか?」

今度はシスルが口を挟む。

「そこまでではないですけど、土地や土、作物について勉強してましたから」

そう言うと、カイエンが身を乗り出した。

「それはいい!今オレたちは開墾可能な土地に王宮から苗を運ぼうと考えている。だが、どの苗が育つのか、わかる人間がいない。貴重な苗を適当に植えて枯らしてしまっては、元も子もないからな」

「王宮に苗があるんですか!?」

「ああ。こんな時の為に王宮でいろいろ栽培をしていた。他国から援助してもらったものもある」

思いがけない回答に、私は面食らった。
王宮ならば、黄金や宝石の宝物の類いがありそうなものだけど、シャンバラの王宮には……苗がある。
干ばつが起こった時のために、苗を王宮で栽培するなんて、危機管理能力が高すぎない?
これだけ土地が疲弊していながら、飢え死にする人が少ないのは、きっと上の人間が有能なおかげだ。
私はますますシャンバラに興味が沸き、ナイスミドルのことをすっかり忘れた。
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