能力を失った聖女は用済みですか?
「そういうことなら、私、お役に立てる気がします!開墾地にお連れください。土地を見て触って、育ちそうな苗を選びます」
「よしっ!いいだろう!人手は全然足りてないし、やる気のある人材を探していたところだ」
カイエンは豪快に笑い、続けてシスルに言った。
「この者を使うぞ。帰路に開墾地の様子を見ながら、王都、レグラザードへと戻る!」
「はっ。そのように手配します……して、カイエン様?」
「何だ?」
「彼女のお名前は?」
胸を張っていたカイエンは、途端に首を傾げて考えた。
いや、考えてもわかるはずないですよ。
名乗ってないんだから。
「私、ルナと申します。以後宜しくお願いします。陛下」
「そ、そうか。ルナ……ルナだな。うん……あ、それから陛下は止せ。呼ぶなら『カイエン』でな?」
背筋をピンと伸ばし、カイエンは王者のように笑った。
「わかりました。ではカイエン様で……シスル様もどうぞ宜しく」
「ええ。ルナ殿。今シャンバラは金も資源も底を尽き、人材も少ない。あなたの知識をありがたくお借りしよう」
思慮深く見えるシスルが、ほっとしたような笑みを浮かべる。
それが、シャンバラの窮状を反映しているようで、とても気の毒になった。
本来なら王の側に人を置くのに、身分を調べないなんてあり得ない。
それなのに、さっき出会ったばかりで、特技の自己申告しかしていない私を雇うなんて、どれだけ人手不足なのか……。
ハッキリ言って、私、不審人物ですよね?
……でもその原因の一端は、ロランの聖女だった私にもある。
こうなったら、なんとしてもシャンバラを助けなければという決意が、私の中に沸々と宿った。
「よしっ!いいだろう!人手は全然足りてないし、やる気のある人材を探していたところだ」
カイエンは豪快に笑い、続けてシスルに言った。
「この者を使うぞ。帰路に開墾地の様子を見ながら、王都、レグラザードへと戻る!」
「はっ。そのように手配します……して、カイエン様?」
「何だ?」
「彼女のお名前は?」
胸を張っていたカイエンは、途端に首を傾げて考えた。
いや、考えてもわかるはずないですよ。
名乗ってないんだから。
「私、ルナと申します。以後宜しくお願いします。陛下」
「そ、そうか。ルナ……ルナだな。うん……あ、それから陛下は止せ。呼ぶなら『カイエン』でな?」
背筋をピンと伸ばし、カイエンは王者のように笑った。
「わかりました。ではカイエン様で……シスル様もどうぞ宜しく」
「ええ。ルナ殿。今シャンバラは金も資源も底を尽き、人材も少ない。あなたの知識をありがたくお借りしよう」
思慮深く見えるシスルが、ほっとしたような笑みを浮かべる。
それが、シャンバラの窮状を反映しているようで、とても気の毒になった。
本来なら王の側に人を置くのに、身分を調べないなんてあり得ない。
それなのに、さっき出会ったばかりで、特技の自己申告しかしていない私を雇うなんて、どれだけ人手不足なのか……。
ハッキリ言って、私、不審人物ですよね?
……でもその原因の一端は、ロランの聖女だった私にもある。
こうなったら、なんとしてもシャンバラを助けなければという決意が、私の中に沸々と宿った。