能力を失った聖女は用済みですか?
その夜はキドニー集落に一泊し、私達は次の集落「ラグン」へと向かう。
移動は常時馬のため、乗馬できない私はシスルと一緒に乗ることになり、道中、シャンバラ国やシーザード王家、カイエンについての話を聞くことが出来た。
カイエン・ミスリル・シーザード。
彼は第六代シャンバラ国王、シュリド・オーパル・シーザードの三番目の王子として生まれた。
二人の兄に、一人の姉。
母は違えども兄弟仲はそこそこ良く、平凡で穏やかな日常を送っていた。
しかし国王が突然崩御してから諍いが起こる。
王太子である第一王子と、第二王子が王位を巡って争いを始めたのだ。
当時幼かったカイエンは、巻き込まれるのを恐れた母親が、既に他国に嫁いだ姉の元に預け、その直後、シャンバラ国は暗殺・陰謀が渦巻く黒い時代に突入する。
そして結局……第一王子は暗殺、第二王子は毒殺。
残ったのは一人、王の血をひくカイエンと、僅かな家臣たち。
母親も、兄弟も、重臣も、ほとんどの人間がいなくなった王宮で、カイエンは一人、王として立ったのである。
「王になったのは15歳の時。それから7年……カイエン様はやっとの思いでシャンバラを立て直したのですが……」
背後でシスルが溜め息をつく。
「まさか……その後、大干ばつが襲ったんですか?」
「そう。まさに、カイエン様を試すかのような凶事の連続……」
「そんな……」
移動は常時馬のため、乗馬できない私はシスルと一緒に乗ることになり、道中、シャンバラ国やシーザード王家、カイエンについての話を聞くことが出来た。
カイエン・ミスリル・シーザード。
彼は第六代シャンバラ国王、シュリド・オーパル・シーザードの三番目の王子として生まれた。
二人の兄に、一人の姉。
母は違えども兄弟仲はそこそこ良く、平凡で穏やかな日常を送っていた。
しかし国王が突然崩御してから諍いが起こる。
王太子である第一王子と、第二王子が王位を巡って争いを始めたのだ。
当時幼かったカイエンは、巻き込まれるのを恐れた母親が、既に他国に嫁いだ姉の元に預け、その直後、シャンバラ国は暗殺・陰謀が渦巻く黒い時代に突入する。
そして結局……第一王子は暗殺、第二王子は毒殺。
残ったのは一人、王の血をひくカイエンと、僅かな家臣たち。
母親も、兄弟も、重臣も、ほとんどの人間がいなくなった王宮で、カイエンは一人、王として立ったのである。
「王になったのは15歳の時。それから7年……カイエン様はやっとの思いでシャンバラを立て直したのですが……」
背後でシスルが溜め息をつく。
「まさか……その後、大干ばつが襲ったんですか?」
「そう。まさに、カイエン様を試すかのような凶事の連続……」
「そんな……」