能力を失った聖女は用済みですか?
第二章 聖女、調理する
その日の夕方、苗は温室から出された。
カイエンとシスル率いる補給部隊が、早急に各集落へと運ぶことになったらしい。

最初は私も行くつもりだったけど、作業の手は足りているというので今回は子供達と一緒にお留守番である。
苗を植える作業は、集落の人達の方が慣れているので、その点は問題ない。
大事なのは生育状況なので、後日配給をかねた視察に同行することになった。

次の日、私達居残り組は、各々の作業を終えると、午後から広間に集まった。
この日は、王宮にいる子供達にせがまれて、いろんなお話をする予定だったのだ。
どうしてそうなったか、というと、精霊の話を聞いたシータが、他の子供達にそれを話したから。
興味を持った子供達の間で、話が芋づる式に広がり、何故かこうなってしまったのである。
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