能力を失った聖女は用済みですか?
「どんな味がするのかな?」

シータがイモをつつきながら言った。

「うーん……あ!そうだ、ひとつ食べてみる?これだけあるなら皆で食べられるよね!」

すると、シータと子供達は「やったぁ!」と叫び声を上げた。
毎日、少しのライ麦パンと一粒の葡萄。
それはそれで美味しいんだけど、たまにはお腹いっぱい食べたいよね?
でもどうやって食べようか。
出来るだけ簡単で、みんなで楽しく作れるものがいいかな。

「うん、決めた!」

私はみんなと一緒に巨大なイモを運び、綺麗に洗った。
イモを切るのは補給部隊の居残り組、第2部隊隊長のイズールと隊員達にお願いする。
彼らが持っているくらいの大剣じゃないと、巨大イモはとてもじゃないけど切れない。
厨房の包丁の方が折れそうなのだ。
イズール達がイモを切っている間に、私は厨房を借りて大きなお鍋に水を張る。
そして、切ってもらったイモをお鍋に入れ、煮て柔らかくした後、取り出して潰す。
そこまでの作業を私一人でやると、後は子供達の出番だ。

「柔らかくなったおイモを捏ねて丸めてね!そして、軽く押さえて平らにしたら焼きます!」

指示すると、子供達は粘土細工を作るように楽しく作業を開始した。
大きさはマチマチだけど、個性的な作品が出来上がっていく。
私は厨房の鉄板の上に薄く油をひいて、イモを乗せていった。
ジューという音を、興味深々で眺める子供達は、サッとひっくり返して、焦げ色がついているのを見ると一斉に歓声を上げた。
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