能力を失った聖女は用済みですか?
「はい!簡単イモもちシャンバラ風、出来上がり!」

「わぁ!いい匂いー」

シータがクンクンと鼻を鳴らす。
熱々のイモもちの、香ばしい匂いと甘い匂いとで、厨房周辺は幸せな気配が漂っている。
粗熱をとったイモもちを皿に盛り、王宮広間に移動して、私と子供達は試食に入ることにした。
匂いにつられてやってきた王宮の使用人達や侍女、手伝ってくれたイズールと他の隊員達にもお裾分けする。
そして、みんなで一斉に食べた。

「あ……まっ!甘いっ!すごい!甘いっ!すごい!」

シータは甘いとすごいを繰り返した。
その感想は正しい。
今、広間の全員がその二言を繰り返しているはずである。
王宮菜園で出来た巨大イモは、大きくなりすぎて不味くなったりはしていなかった。
それどころか、普通のイモより遥かに甘い、レベルアップしたモノだったのである。

「何これ……おイモなの?」

「信じられない……こんなイモ、食ったことないぞ……」

使用人や侍女、第2部隊も度肝を抜かれているけど、その表情は幸せそうだ。
糖分は疲れを癒し、心の安定を促す。
干ばつのせいで、日々ストレスの溜まる生活を強いられている人達には、この甘いイモは非常に助けになるはずだ。
どうにか、レグラザードの人達にも分けられないか……と、考えて、不意にいいことを思い付いた。

日持ちし、甘く、おやつ感覚で食べられるお手軽なイモ料理!
そう、あれしかない!
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