能力を失った聖女は用済みですか?
前日、長時間かかった収穫から調理までの行程は、大人達の手伝いにより劇的に短縮された。
一回やっているからか、子供達も慣れたもの。
何も指示しなくとも自ら動き、先回りして作業をした。
短縮作業の結果、ルナシータが出来上がったのはちょうどお昼頃で、レグラザードの人達に配る時間を入れても、前日より随分時間が余ったのである。

一仕事終え、私達は王宮広間で昼食を取りながら休憩をした。
今日の昼食は、いつものライ麦パンを少しだけアレンジしたもの。
厨房の料理人さんに提案して作って貰った「ライ麦イモパン」である。
イモをさいの目切りにしてパン生地に練り込み焼き上げる、という簡単なものだけど、これがとても美味しかった。
ライ麦特有の固さの中に、食感の違う甘いイモが入っていて、なんとも言えない口当たりの絶品パンが出来上がったのである。

「いやぁ、もう、おイモ様々だなぁ。パンだけじゃ足りない腹も、イモが入ると満たされる。何か魔法がかかってるんじゃないかと思えるね」

イズールが目を細めて言った。
彼は、既にパンを平らげ、イモもちを堪能中だ。
沢山作ったイモもちも、次から次へと伸びてくる手に、あと僅かになっている。
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