能力を失った聖女は用済みですか?
「わ、私のことなんて、聞いても、面白くもなんともないですよ?つ、つまらない人生ですから!」
やっとのことで牽制の一言を返すと、廊下でカイエンが振り返った。
「人生って……そんな大層なことは聞かないよ。例えば生い立ちとか……」
「あ、あー……それなら、最初にも言いましたけど、両親は私が5歳の頃に亡くなりまして、それから親戚の家を転々としながら……」
奨学金を貰いつつ、学校に通いました……というのは口に出来ない。
突っ込まれて尋ねられると、墓穴を掘る可能性があるからだ。
しかし、いきなり口ごもった私を見たカイエンは、沈痛な面持ちになった。
「……そうだったな……一度聞いていたのに。オレとしたことが……軽率だった、許して欲しい」
「えっ?いえ、私はもう平気なので、お気になさらず」
「お前はオレと似ている。いや、オレにはまだ姉がいたか……ルナ、シャンバラは好きか?」
「はい。好きです。皆、団結力があって、強くて諦めない。困難の中にあっても、笑顔で乗り切ろうとする……素敵な国だと思います」
そう言うと、カイエンは途端に顔を背けた。
「そ、そうか。うん。お前が良ければ、ずっとここにいるといい。オレのことも……家族と思ってくれていい……ぞ」
「家族……」
いいにくそうに、頭をかきながら訥訥としゃべるカイエン。
それを照れだと理解するのは、容易いことだった。
気を使って慣れないことを言うなんて、本当にこの王様、真っ直ぐで優しい。
彼は人を思いやり、同じ立場に立って泣ける人なんだ。
「ではお言葉に甘えて。心置きなく住まわせてもらいますね」
素直に伝えると、カイエンは何も言わず真摯に頷いた。
それが、絶対なる王との契約のようで、身が引き締まるような気がした。
やっとのことで牽制の一言を返すと、廊下でカイエンが振り返った。
「人生って……そんな大層なことは聞かないよ。例えば生い立ちとか……」
「あ、あー……それなら、最初にも言いましたけど、両親は私が5歳の頃に亡くなりまして、それから親戚の家を転々としながら……」
奨学金を貰いつつ、学校に通いました……というのは口に出来ない。
突っ込まれて尋ねられると、墓穴を掘る可能性があるからだ。
しかし、いきなり口ごもった私を見たカイエンは、沈痛な面持ちになった。
「……そうだったな……一度聞いていたのに。オレとしたことが……軽率だった、許して欲しい」
「えっ?いえ、私はもう平気なので、お気になさらず」
「お前はオレと似ている。いや、オレにはまだ姉がいたか……ルナ、シャンバラは好きか?」
「はい。好きです。皆、団結力があって、強くて諦めない。困難の中にあっても、笑顔で乗り切ろうとする……素敵な国だと思います」
そう言うと、カイエンは途端に顔を背けた。
「そ、そうか。うん。お前が良ければ、ずっとここにいるといい。オレのことも……家族と思ってくれていい……ぞ」
「家族……」
いいにくそうに、頭をかきながら訥訥としゃべるカイエン。
それを照れだと理解するのは、容易いことだった。
気を使って慣れないことを言うなんて、本当にこの王様、真っ直ぐで優しい。
彼は人を思いやり、同じ立場に立って泣ける人なんだ。
「ではお言葉に甘えて。心置きなく住まわせてもらいますね」
素直に伝えると、カイエンは何も言わず真摯に頷いた。
それが、絶対なる王との契約のようで、身が引き締まるような気がした。