能力を失った聖女は用済みですか?
すると、近くの民家の窓から、老人が顔を覗かせた。
「カイエン様……おお……カイエン様じゃ」
老人が嗄れた声で言うと、窓にわらわらと人が集まる気配がした。
「皆、どうしたんだ!?ナヤン!何があった!?」
扉を開け、カイエンは民家へと飛び込み、それに私も続く。
家の中には、集落中の人が身を寄せあって隠れているようだった。
何から逃げているのかわからないけど、怯えているのが表情から窺える。
「カイエン様……よくぞ来て下さいました!実は、つい先程、ロランの兵士がやって来たのです」
ナヤンと呼ばれた男が言った。
おそらく彼が集落の代表だろう。
「ロランの兵士?国境を越えてか?どうしてだ!?奴らの目的は何だ?」
「人を探しているようでした。確か、聖女はいるか?聖女を隠しているなら出せと。兵士は家の中まで入り、家捜ししました」
「聖女……ああ、ロランが追い出したというあれか。それで?」
「はい……ハシムの家に入った兵士が何かを見つけて、聖女は何処へ行ったのだ!と、ハシムを尋問しました……しかし、知らぬ存ぜぬを貫いたハシムは、兵士に捕らえられそのままロラン方面へと連れていかれてしまいました……」
ナヤンとカイエンの会話を隣で聞いた私の手は、だんだん冷たくなっていった。
ロランの兵士が、見つけたのは私の服だ。
ハシムの家に置いていった……娘さんの服と交換した……聖女の装い。
兵士が尋ねた時に、ハシムは気付いたはずなのに、何で言わなかったんだろう。
あの時、私はシャンバラの王様を探して、次の集落に行くと言った。
どうしてそれを言わなかったの?
「カイエン様……おお……カイエン様じゃ」
老人が嗄れた声で言うと、窓にわらわらと人が集まる気配がした。
「皆、どうしたんだ!?ナヤン!何があった!?」
扉を開け、カイエンは民家へと飛び込み、それに私も続く。
家の中には、集落中の人が身を寄せあって隠れているようだった。
何から逃げているのかわからないけど、怯えているのが表情から窺える。
「カイエン様……よくぞ来て下さいました!実は、つい先程、ロランの兵士がやって来たのです」
ナヤンと呼ばれた男が言った。
おそらく彼が集落の代表だろう。
「ロランの兵士?国境を越えてか?どうしてだ!?奴らの目的は何だ?」
「人を探しているようでした。確か、聖女はいるか?聖女を隠しているなら出せと。兵士は家の中まで入り、家捜ししました」
「聖女……ああ、ロランが追い出したというあれか。それで?」
「はい……ハシムの家に入った兵士が何かを見つけて、聖女は何処へ行ったのだ!と、ハシムを尋問しました……しかし、知らぬ存ぜぬを貫いたハシムは、兵士に捕らえられそのままロラン方面へと連れていかれてしまいました……」
ナヤンとカイエンの会話を隣で聞いた私の手は、だんだん冷たくなっていった。
ロランの兵士が、見つけたのは私の服だ。
ハシムの家に置いていった……娘さんの服と交換した……聖女の装い。
兵士が尋ねた時に、ハシムは気付いたはずなのに、何で言わなかったんだろう。
あの時、私はシャンバラの王様を探して、次の集落に行くと言った。
どうしてそれを言わなかったの?