能力を失った聖女は用済みですか?
カイエンは、私からゆっくり目を逸らし兵士を睨み付け、静かに言った。
「オレはシャンバラ王、カイエン・ミスリル・シーザード……お前達の行ったことは、シャンバラ領土への侵犯、及び民を勝手に連れていくという越権行為である。大陸法に背く行為だ」
とても丁寧な口振りに、逆に怒りを感じた。
カイエンが怒っているのを見たのは初めてだ。
その怒りが兵士に向けられているのか、果たして私にも向けられているのか……考えるのが怖い。
「聖女様を隠した疑いのある者を捕えたまでだ!ロラン国の物を取ったのだから……」
「黙れっ!」
カイエンの怒号が、ひび割れた大地に響き渡った。
私もシスルもハシムも。
第一部隊も、ロランの兵士達も。
皆、怯えてビクッと体を揺らした。
「言わせておけば、ルナを物のようにいいやがって!この際はっきり言っておくが、彼女はロランの所有物ではない。意思のある自由な一人の人間だ」
「な、何を……」
兵士が返答するのを、カイエンは許さなかった。
「お前達……ルナの力が失くなったから、追い出したのだろう?力ずくで連れ戻そうなんて、一国家として恥ずかしくないのか?」
「……っ!」
「それに、もうルナはオレの家族だからな。どこにも行かせない」
「えっ?カ、カイエン様!?」
聖女が嫌いなはずでしょう?
聖女を憎んでいるはずでしょう?
私がその聖女だと知ってしまったのに、まだ家族だと……シャンバラにいていいと言ってくれるんですか?
「オレはシャンバラ王、カイエン・ミスリル・シーザード……お前達の行ったことは、シャンバラ領土への侵犯、及び民を勝手に連れていくという越権行為である。大陸法に背く行為だ」
とても丁寧な口振りに、逆に怒りを感じた。
カイエンが怒っているのを見たのは初めてだ。
その怒りが兵士に向けられているのか、果たして私にも向けられているのか……考えるのが怖い。
「聖女様を隠した疑いのある者を捕えたまでだ!ロラン国の物を取ったのだから……」
「黙れっ!」
カイエンの怒号が、ひび割れた大地に響き渡った。
私もシスルもハシムも。
第一部隊も、ロランの兵士達も。
皆、怯えてビクッと体を揺らした。
「言わせておけば、ルナを物のようにいいやがって!この際はっきり言っておくが、彼女はロランの所有物ではない。意思のある自由な一人の人間だ」
「な、何を……」
兵士が返答するのを、カイエンは許さなかった。
「お前達……ルナの力が失くなったから、追い出したのだろう?力ずくで連れ戻そうなんて、一国家として恥ずかしくないのか?」
「……っ!」
「それに、もうルナはオレの家族だからな。どこにも行かせない」
「えっ?カ、カイエン様!?」
聖女が嫌いなはずでしょう?
聖女を憎んでいるはずでしょう?
私がその聖女だと知ってしまったのに、まだ家族だと……シャンバラにいていいと言ってくれるんですか?