能力を失った聖女は用済みですか?
「そ、それは!もしや……」

ロランの兵士は、カイエンの言葉を聞いて愕然とし、それから絞り出すように言った。

「聖女様を妃にしたと言うことか?」

「へ?」

突拍子もない問いかけに、私の喉から変な声が漏れた。
どこをどう聞き違えたら、家族が妃になるんだろう。
一文字も合ってない。
ま、まぁ、放っておいてもカイエンが訂正するよね?
そう判断して、私はカイエンの言葉を待った。

「そうだ!妃として迎えた。だからロラン王には帰ってこう伝えよ。『我が妃に用があるならば、正式な手続きを取ってから来い』とな」

「くっ……何ということだ……」

ロランの兵士達は蒼白になり、私はだらしなく口をパクパクさせた。
あの、今、何と仰った?
気のせいでなければ、妃って言ったよねぇ!?
妃って……お嫁さんよねぇ!?

「わかったなら去れ!ぐすぐすしているならここで切り捨てるぞ!」

「……一旦引く……シャンバラ王よ、覚えていろ。ロラン王の沙汰を震えながら待つがいい!」

ロランの兵士は負け犬の決まり文句を叫んだ。
そして、ディアーハが上から退くとすぐ、ロラン方面へと逃げるように去っていった。

さて……。
片方の面倒事は片付いたけど、問題は残った方である。
カイエンは、何が起こったのかわからない私に近づくと、怖い顔で怒鳴った。
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