能力を失った聖女は用済みですか?
「待っていろと言っただろ!」

「……はい。あの、でも……ん?」

あれ?怒るのそこですか?
私は言い訳しようとして、首を傾げた。
第一声は「聖女だったのか!騙していたのか!」と言われるものと勝手に考えていたから。

「オレ達がそんなに信用出来ないか?頼りなく思えたか?」

「ええっ!?いや、そうじゃないですよ!そうじゃなくって……ハシムさんが連れて行かれたの……私のせいだから、なんとかしなきゃって」

「だとしても、一人で突っ込んでいくなんて無謀だろ?まったく……」

頭を抱えて座り込んだカイエンは、はぁーと大きなため息をつく。
それを見て、シスルもハシムも周りの皆も、一段落したように顔を見合わせている。
雰囲気が少し落ち着いたのを感じて、私はゆっくりカイエンに近付いた。

「あのぅ……私、(元)聖女なんですけど……?」

……ど直球である。
もう少し言葉を選べば良かった……と、すぐに後悔したけど、もうこれ以外、言いたいことはない。
どうして皆、一番の問題をスルーするのか!?
それが、気になって気になって仕方ない!

「みたいだな」

カイエンは普通に言った。

「みたいだな……って。驚くとか、びっくりするとかないんですか?」

「驚くとびっくりするは一緒だな」

私の失言に揚げ足を取ると、カイエンは若干頬を緩めた。
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