先生と生徒の関係
向かう勇気
あれから数日経った。
毎日あの日のことを思い出す。木曜日になりまた自習室に入った。
「こんばんは」
「こんばんは」
と挨拶をした。
そのまま自習室に向かい勉強をした。学校の宿題やったり、塾の宿題やったりした。
テストで解けなかった問題を解いていたら解き方が分からない問題が出てきた。10分ぐらいずっと考えてわかんなかったから諦めかけていたその時。 
ガシャ
ドアの開く音が聞こえた
先生に教えてもらおうと思って
「先生。ここわからないんです。教えてもらえませんか?」と言いながら振り向くと
川中先生がいた。
「るあさんでしたっけ?」
私の名前を覚えてくれてる!?
「あっ、はい。るあです」
「ここ教えてもらえませんか?」
緊張しながらも言えた
「何の教科?」
「数学です」 
「あー数学ね。おけ。見せて」
「面積の問題です」
「これ難しいよね」
「この式を使うと解けるよ。やってみな」
「分かりました。ありがとうございます」
「頑張ってね」
と言って離れていってしまった。
先生がとっても教えるのが上手で分かりやすかった。分からない所があったらまた聞こうかなと思った。
夏休みに入り長期講習が始まり塾に通うひが週3回に増えた。いろんな先生の授業もありたくさんの先生と話したり教えてもらったりした。もちろん川中先生の授業も何回も受けた。
夏休み後半になり段々と疲れてきて学校の宿題もやらないといけないし、塾の宿題もやらなきゃいけなくて毎日が勉強の嵐になっていった。
授業と授業の10分休憩に体を休ませながらも頑張ってやっていると
「最近大変そうだね。大丈夫?」
と川中先生が話しかけてくれた。
大丈夫じゃないと言いたいところだけど
「大丈夫です。心配してくれてありがとうございます。宿題が多くて大変なんですよ。」
「そっか、なら良かった」
「疲れてそうだったからちょっと声かけただけ。宿題頑張ってやってね」
「はい!ありがとうございます」
「川中先生も大変そうですよね」
「まぁ大変だけど頑張らなきゃな」
目の下にクマができていて心配になった。
「あんまり無理しないでくださいね」
「ありがとう」
もっと先生と喋りたい。
仲良くなりたい。
ふと思った。
これが好きって気持ちなのか憧れの人だからなのか先生と仲良くなりたいだけなのかはよくわからない。
頭の中が台風のように渦巻いている。
どうやって先生に話せばいいのか分からなくなってきた。
もっと話して好きって気持ちが確実になったらどうしよう。
先生を困らせることになる。
それだけは嫌だけど話したいのは事実だった。
これからどうしよう
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